本年度は,2個のFPGAからなるシステム(構成A)において,可変キャッシュ機構の実機評価(アプリケーションとして部分最大充足可能性問題を使用)を行うとともに,FPGAの個数を更に増やした場合(構成B)の同機構の有効性の評価を,昨年度に引き続き実施した(アプリケーションとして充足可能性問題,最大充足可能性問題,部分最大充足可能性問題,2次割当問題を使用). 構成Aについては,現在,部分最大充足可能性問題の例題を用いてシミュレーション,および実機による評価を行っており,公開されている例題のうち中規模の問題において,シミュレーション評価で算出されたものとほぼ同程度の性能が得られる見通しがついている.今後,より多くの例題を用いて,所期の性能が得られることを確認する予定である.なお,シミュレーション評価に関しては,その一部を国際会議で発表した. 構成Bに関しては,昨年度に引き続き、アプリケーションを追加・変更して評価を行ったが,IOの本数と,データ転送速度の不足を補うようなシステム構成を発見することはできず,昨年度と同様,FPGAの個数が2個のとき,最も性能が出る結果となった. なお,これらの過程で得られた研究成果について,部分最大充足可能性問題の実機評価の結果に関して,論文誌への投稿準備を進めているところである.今後,充足可能性問題,最大充足可能性問題と2次割当問題についても,構成Aを用いた場合の実機評価を進める予定である.
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