本研究では,ソフトウェア開発プロジェクト管理における品質保証・評価への支援を念頭に,ソフトウェアメトリクスを考慮した多次元ウェーブレット解析によるソフトウェア信頼性評価方法の提案を目的としている.最終年度においては,初年度と二年度目において得られた成果や新たな知見,並びに研究開始当初予期していなかったことについて再検討し,アルゴリズムの再構築及び提案手法の再評価を行った.観測データに正規変換を施すと観測データの確率的構造が大きく変わる点について厳密に考察を行う必要があったため,特にデータ変換後の平均や分散などの確率分布の特徴量に着目して,様々なデータ変換はウェーブレット縮小推定の精度にどのような影響を与えるのかに焦点を当てた.その成果を国内外の学会にて発表した.また,これらの結果を含めた内容を査読付き論文として投稿済みである.さらに,一連の研究の新規性や有用性などが評価され,World Scientific社が出版する図書の一章として収録され,今年中に出版予定である.
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