平成28年度は、Webアプリケーションの検証を行う技術を応用することで、Webページから重要そうな内容を自動的に抽出するスクレイピング技術を開発して、同技術を民間企業2社に対して有償で提供することに成功した。 本研究では、Webアプリケーションの検証を行う際に、Webアプリケーションが表示するWebページの中で、コンテキストに応じて動的に変化するコンテンツに着目することで、効率よく質の高い検証を実現することに成功した。 当初は想定していなかったが、コンテキストに応じて動的に変化するコンテンツは、Webページの閲覧者にとって重要なコンテンツであるケースが多く、自動的かつ継続的に該当コンテンツを抽出し続けたいというニーズがあることを発見した。そこで、本研究では、検証で利用していた技術をWebページからコンテンツを自動抽出する技術へと応用した。その結果、従来技術には、Webページの仕様変更によって自動抽出プログラムの修正作業が頻繁に発生する問題があったが、提案技術によって、Webページの仕様変更が起こっても自動抽出プログラムの修正作業を行わずに、継続して抽出し続けることを実現した。これにより、自動抽出プログラムのコストを9割程度削減できる試算がたった。 以上、本研究全体を通して、Webアプリケーションの検証技術を開発して、さらに、一般的なアプリケーションの検証技術への応用を行い、最終的には、Webページからコンテンツを自動かつ継続的に抽出する技術への応用を行った。本研究は思いもよらぬ領域においても成果をあげる結果となった。
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