複数の異なる無線ネットワークを同時並行利用するマルチパス転送技術は通信帯域の大容量化を主目的として研究されてきた.しかし,マルチパス転送技術は複数の無線ネットワークを利用することから通信の省電力化が重要となってきた.本研究では,無線ネットワークのマルチパス転送の省電力化の基礎技術として,トランスポート層レベルの省電力パケット転送方式を提案した.実無線LANを模した実験およびシミュレーション実験によって,提案方式はパケット転送遅延がわずかに増加するものの消費電力を20%から60%削減できることを示した.
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