本研究は,スポーツの内容の理解を補助するコンテンツを,環境とユーザに適応して提示可能とするシステムの構築を目標としており,「観戦の環境とユーザの視聴行動」から「ユーザが所望するデータやその提示方法」を求める理論を構築し,効率的な観戦をユーザ毎に助けるシステムの実現を目指す.具体的には,研究期間内に以下を明らかにする. 【フェーズ1】試合内容の解析結果に基づく類似場面の検出 【フェーズ2】スポーツの内容の理解を補助するコンテンツ生成の理論構築 【フェーズ3】観戦の環境に応じたコンテンツ提示システムの実装 【フェーズ4】ユーザの操作履歴に基づくコンテンツ提示システムの高度化 昨年度までに実施した【フェーズ1】および【フェーズ2】によって,選手配置やパスコースの有無など,試合内容の解析結果に基づいた内容が類似する映像の検出,および類似場面の映像とその実況などのデータ間の関連性から選手の情報や有効なパスコース,自動生成される実況などのコンテンツを生成する理論が構築された.今年度には,【フェーズ3】に計画した観戦の環境に応じたコンテンツ提示システムの実装について検討を進めた.具体的には,【フェーズ2】までに構築した理論によって生成されたコンテンツをテレビ放送やスタジアムでの観戦など,環境に応じて提示する手法の構築,およびシステムの実装を進めた.また,得られた成果について学会での発表を行った.
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