研究課題
効果的な解析の重要が高まっている現代において,高次元データをいかに分りやすく可視化できるかは,重要な技術的課題となってきている.本研究の目的は,高次元データの可視化を,我々が日常で慣れ親しんでいる地図を視覚メタファーを用いて実現することにある.高次元データ上に定義される関数の極値と接続性を参照し,解析対象の数値データを地形形状に変換するアルゴリズムを考案するとともに,古地図で用いられる視認性の高い構図に基づく地形データ描画手法を考案することで,効果的な可視化の実現を図る.上記課題を実現するために,(1) 数値データを地形データに変換するアルゴリズムの構築,(2)分りやすい構図や注釈配置による地図表現の可読性の向上,(3) 人の好みや興味の対象による地図表現のカスタマイズの機構の導入の3つの課題を,3 年間の研究期間において取り組んでいく.平成26年度は,課題(1)と課題(2)を平行に取り組むことで,高次元数値データから地形データへの変換及び可読性の高い地図表現の生成までの一連の可視化処理手法の定式化を図った.平成27年度では,課題(3)を加えて,全ての課題を平行に取り組んだ.まず (1A) 高次元空間におけるデータサンプル点の多様体構造を表す近接グラフの構築とその可視化を実現し,その評価を行った.さらに構築した近接グラフを生かしたデータ視覚解析システムを構築し,データに対応する地図表現を対話処理を通じて ,(3B)人の好みや興味の対象に応じカスタマイズを行う機構を実装した.またこれと平行に, (2A) 従来の古地図の構図の定式化を用いて,路線図やランドマークなどの重要な特徴の配置を最適化するモデルを構築するとともに,人による地理形状の理解や把握に関する調査を実施して,地図特徴の配置を最適化するモデルの構築も図った.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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