研究課題/領域番号 |
26730079
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大山 勝徳 日本大学, 工学部, 准教授 (50615606)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | EEGとNIRSの同時計測 / 対話課題 / 意思疎通の失敗 / 自己組織化マップ / BCI |
研究実績の概要 |
今年度は,意思疎通の失敗に関わる脳波と脳血流の特徴量から精神作業負荷の変化を記録し,次に,教師なし学習(自己組織化マップ)による対話状況の分類を行った.実験については,コミュニケーションツールを用いて出題者が問題を参加者に伝え,参加者が問題について質問と解答を行うことによる暗算課題を実施し,以下の考察を得ている。
1. EEGとNIRSの同時計測の有用性に関する考察を行った。コミュニケーションツールを用いた対話中の暗算課題に関する実験結果について,一元配置の分散分析を行った結果,参加者10名の安静中と計算中における脳波と脳血流の両方の変化量に有意な主効果(p < 0.1)があることを確認した。さらに,多重比較の結果,脳波と脳血流の変化量を選択的に用いた場合,対話中の暗算課題における分類精度が向上する見込みが得られたことから,実験結果について国際会議へ論文投稿を行った。現在,さらに対話中のタスクの種類を増やしてEEGとNIRSの同時計測の実験を行っている。
2. 自己組織化マップを用いて,ERS/ERD(事象関連同期/非同期)を脳波の特徴ベクトルとし,さらに,左前頭前野と右前頭前野の酸素化ヘモグロビン(HbO)の比較によって得られる右偏化指数を特徴ベクトルとしてクラス分類を行った。特に,変化量と絶対量の両方を特徴ベクトルとした場合に対話中の暗算と安静を分類できることを確認している。現在,意思疎通の失敗の種類と原因が分類可能であるかについて,さらに分析を進め,その結果を論文としてまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・対話課題に関するEEGとNIRSの同時計測の有用性について,現時点までの既存論文にはない新しい知見が得られている。
・ただし,人事異動にともなう新研究室の運営と実験環境の整備を行ったため,体制作りに時間がかかった。
・基礎的な暗算課題の実験を優先して先に試行した。そのため,実験計画で予定したプログラミング演習中のバグレビューとリモートアシスタンスの2つの事例についてはこれから検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,実験計画で予定したプログラミング演習中のバグレビューとリモートアシスタンスの事例を含めて実験結果を考察したい。また,EEGとNIRSの同時計測に関する対話中の意思疎通(対話状況)を細分類し,観測可能な対話状況と観測不能な対話状況の種類を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に使用する機器のうち,同大学の研究協力者が所持しているものがあったため,購入費用が全体として低かった。また,実験環境の整備を行っていたため,新しい機器の導入を待つ必要があった。
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定していたものより新しい脳血流測定用のNIRSプローブの購入に用いるために,次年度の予算を用いる予定である。
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