研究課題/領域番号 |
26730087
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
坂上 文彦 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00432287)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ライトフィールドディスプレイ / 視力仮想矯正 / 点広がり関数 / ライトフィールド |
研究実績の概要 |
本研究では,高解像度ディスプレイとレンズアレイを組み合わせることによりライトフィールドディスプレイを構成し,これを用いて低視力者に対しても適切な画像提示を行う.また,これと併せて通常ディスプレイを用いた場合でも低視力者に適正な画像を観測させる方法について検討する.
通常のディスプレイを用いる方法では,カメラのピントが適正に調整されていない状態を用いて低視力者の観測を模擬し,この観測結果から低視力者における観測ボケをPSF(Point Spread Function:点広がり関数)を用いて表現した.さらに,このPSF二より発生するボケをあらかじめ無効化するような画像をディスプレイ上に提示することで,観測者にボケの少ない画像を提示可能であることを示した.
また,ライトフィールドディスプレイを用いた方法では,高解像度タブレット端末上にレンズアレイを取り付けることで,方向ごとに異なる画像を提示可能なライトフィールドディスプレイを作成した.さらに,このライトフィールドディスプレイ上から発生される光線を光線追跡法により追跡することで,観測者がどのような画像を観測するかを線形方程式により表現可能であることを示した.さらに,PSFを用いたより詳細なモデル化においても,同様に線形方程式により観測結果を予測可能であることを確認した.また,この線形方程式を解くことにより,低視力者に対しても任意の画像を観測させられることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のとおり,通常ディスプレイを用いた方法,ライトフィールドディスプレイを用いた方法のどちらについても研究開始時に目的としていた,低視力者への適切な画像提示をほぼ達成することができた.ただし,ライトフィールドディスプレイを用いた方法については,観測のモデル化方法や計算量に一部改善すべき点が見られるため,これについてはさらなる検討を行う.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を論文としてまとめ,対外的に発表を行う予定である.また,一部残存している課題については引き続き検討を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究自体は概ね予定どおり進んだが、予定していた対外発表を一部行うことができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
対外発表を行うため、国際会議等での発表を行うための参加費用として使用するよ底である。
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