近年、小型化した電子装置は目立たず装着てきるようになってきた。しかし、小型化されるにつれて、装着型装置における回路サイズ、メモリや計算能力なとの資源制約もさらに厳しくなってきた。本研究では、無拘束常時手指装着型装置の応用展開において、資源制約のある状況に適用可能な充電方式と即時認識手法の基礎研究を行った。 充電方法について、太陽光、体温、運動や無線電波などを含め、複数の環境発電を指輪サイズ、極端に小型装置に評価実験を行い、最後に無線充電方式を選択し、指輪型装置に実装した。20mAhのLipo電池へ3mm以内の充電距離において、1時間80%まで充電できる。無線充電のメリットは装置に充電端子を無くすことより、防水防塵加工が簡単になる。 ジェスチャー認識手法について、連続ジェスチャー入力手法と即時ジェスチャー認識手法を研究提案した。DTWのスライドウェインド方法を改良し、連続した入力ジェスチャーに対して、自動的に各ジェスチャーの起点と終点を識別する手法を実験評価した。更に、HMMとK-meansを組み合わせた二段階認識手法により、30個までの評価用ジェスチャー集合をオンライン認識する方法も提案した。 以上の提案手法を検証するために、指輪型装置を開発した。モーションセンサー、BLE無線通信モジュール、無線充電回路、32ビットプロセッサーを内蔵した自己完結型ウェアラブルコンピューティングシステムである。 本研究が、資源制約のある装着型装置に、共通した充電と認識などの課題を解決することにより、ウェアラブルコンピューティングを基礎研究から応用研究へ進むことを促進した。研究成果を指輪型装置だけでなく、多種多様なIoT端末の研究開発に運用することが考えられる。
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