本研究の目的は、これまで直接ものづくりやプログラミングに関わったことのない人々が持つ力を製品設計や開発に活かすためのプラットフォームの開発にあった。設定した課題のうち、音響フィードバックによるナビゲーションについてはその有効性を実証実験により確認した。また、フィードバック関数をカスタマイズ可能としたものを開発しその予備実験を実施した。実験結果を受けてWebブラウザ上で動作するデータフロー型の音響効果プログラミング環境を構築した。インタラクションデザインのアーカイビングについてはスマートフォンを使ってユーザがコンテンツ作成を可能としたシステムの開発に成功した。 タッチパネル向けの開発環境の導入については検証の結果適性がなかったため、Webブラウザ上で開発可能な環境を構築することでユーザ利便性を図ることとした。題材として音響効果プログラミングに加えてシェーダランゲージによる映像効果プログラミングを加え、それぞれの開発環境を構築した。このうち音響効果プログラミングについては同一プログラムを複数ユーザにより同時に編集することを可能とし、協力的なプログラミングを可能とした。 また、運動支援を目的としたデバイス開発環境の構築については、研究代表者らが開発したシステムについてはその有効性を実証実験により確認できたが、そのプログラミングをユーザに行わせることが有効でないと判断し、方針を変更して同システムを他のリハビリテーション療法へ応用する研究を進めることとした。またその過程で被験者の身体図式の認知過程についての検証を必要としたために実験を実施し、その認知過程において従来の知見とは異なる現象を発見した。
|