• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

複合現実空間における痛覚・温冷覚提示に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26730109
研究機関立命館大学

研究代表者

橋口 哲志  立命館大学, 情報理工学部, 助教 (70710581)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード複合現実感 / 痛覚 / 温冷覚
研究実績の概要

複合現実空間(Mixed Reality; MR)では,仮想空間における視覚刺激と実空間における触覚刺激に齟齬を生じさせることが可能である.そこで,我々はMR空間を用いて視触覚間の差異を敢えて生じされることにより,視覚刺激と各種触覚刺激との相互作用に関する研究を行っている.その新しい取り組みとして,本研究ではMR空間における痛覚・温冷覚提示に関する研究を行っている.
研究期間内に行う実験は,大きく分けて2本柱となっており,視覚刺激が痛覚・温冷覚に影響を及ぼす範囲に関する実験と視覚刺激を融合することによる触覚強度に関する実験である.初年度の計画として,前者の視覚刺激が痛覚・温冷覚に影響を及ぼす範囲に関する実験を予定していたので,この実績について報告を行う.実験の段階として,痛覚・温冷覚の両者とも同じ手順で行い,まずは視覚刺激の提示位置を実際の触覚提示位置とずらした場合における知覚位置への影響を,次に触覚刺激をファントムセンセーションで提示した場合に視覚刺激の提示位置による影響をそれぞれ系統的実験により明らかにした.これらの結果では,痛覚・温冷覚の両者で視覚刺激を提示した位置付近に触覚刺激が感じられ,ファントムセンセーションにおいても同様に視覚刺激に誘導された.
特に痛覚は刺激箇所がわかりやすいため,ファントムセンセーションのような現象は起こりづらく,また視覚刺激による影響も受けにくいと予想していた.しかし,予想とは反してファントムセンセーションや視覚による刺激位置の錯覚も生じされることが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

痛覚に関する実験は,比較的に早く進捗したので,国際会議を含めて関連学会での発表や論文も投稿して採録されている.また,発表した関連学会でも学術奨励賞を受賞するなど多くの関心を得ることができた.温冷覚に関する実験では,学会発表などの実績はまだないが,計画通りに実験は進んでおり,現在は知見をまとめて論文投稿の準備を行っている段階である.

今後の研究の推進方策

今後も引き続き研究計画通りに進めていき,関連学会への学会発表・論文投稿はもちろん,特に今年度は関連の国際会議が国内で行われるので,展示発表も積極的に行っていく予定である.

次年度使用額が生じた理由

次年度に関連の国際学会が,国内で多く開催される.その際,展示発表を考えており,その費用を計上するため,次年度の予算として使用することにした.

次年度使用額の使用計画

ISMAR2015(福岡)やSIGGRAPH Asia 2015(神戸)が国内で開催されるため,展示発表を行う予定にしている.主に展示発表を行う際の費用として計上している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 複合現実型視覚提示が痛覚刺激の知覚に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      片岡佑太,橋口哲志,柴田史久,木村朝子
    • 雑誌名

      日本バーチャルリアリティ学会論文誌

      巻: Vol. 19, No. 2 ページ: 275-283

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Psychophysical influence on sense of pain by mixed reality visual stimulation2014

    • 著者名/発表者名
      Yuta Kataoka
    • 学会等名
      7th Korea-Japan Workshop on Mixed Reality
    • 発表場所
      KIST Jeon-buk Branch and Jeonju Traditional Culture Center, Jeon-buk, Korea
    • 年月日
      2014-04-19

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi