人間が事物をどのように見て理解するかという高次認知に関わる注視行動のクセやコツを計算機が認識できれば,その知識を応用したGaze Based Human Computer Interactionがユーザに自己や他者の潜在的な高次視覚能力への気づきを与え,人間を新しい視覚世界へと導くことを期待できる.そのためにはまず,人間の認知状態と注視行動との間の複雑な関係を解きほぐす必要があり,その鍵が視覚環境ダイナミクスであると考えている.本研究では,視覚環境ダイナミクスと視線運動間のイベント共起構造を指導の熟練者と未熟者との間で比較することで,熟練者に特有な注視行動を抽出する手法を提案し,評価した.
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