本研究は,脳が,ロボット学・情報学の計算理論「ベイズ推定」を用いて,現在の状態を把握するという仮説を提案した.本研究は,この仮説を総説で発表した.脳の大脳新皮質は,6層の階層型コラム構造を持つ.本研究のベイズ実装仮説では,皮質1層・2/3層・5層がそれぞれ,ベイズ推定の事前分布・尤度・事後分布を実装する.脳の高次領域からのトップダウン信号・低次領域からのボトムアップ信号がそれぞれ,状態遷移・感覚情報を伝搬する.本研究は,マウスの行動実験・二光子顕微鏡での後頭頂皮質 (大脳新皮質の一部) 神経活動イメージングで,提案仮説の実証を試みた.
|