研究課題
本課題の全体構想は,連続空間を対象とする最適化手法Differential evolution(DE)を構造的表現を扱えるように拡張した,新たな木構造最適化手法である差分進化プログラミングの開発することである.平成27年度は新たな進化モデルとして,記号の近傍構造を定義するための情報を遺伝子とする個体集団と,木構造を表現する遺伝子を持つ個体集団を,互いに互いに影響を与えながら進化させる共進化型モデルを構築した.提案モデルでは,近傍構造を定義するための個体群にはGAを適用し,木構造を表現する個体群に対してはTree DEを適用した.Tree DEでは各親個体が子個体を生成する際に,近傍構造の集団から1つの個体が割り当てられ,その個体より定義される記号間の距離を利用して木構造におけるDEの差分操作を行う.近傍構造を定義する個体の適応度は生成された木構造プログラムの適応度の和で計算される.そのため,近傍構造を定義する個体は,木構造を表現する個体群にとって有効な記号間の距離を定義するように進化し,Tree DEでは適する近傍構造を利用して木構造プログラムを最適化することが可能となる.評価実験の結果,提案した共進化型モデルは,関数近似問題や論理関数の合成問題において通常のTreeDEよりも良好な探索性能を示すことを確認した.これらの成果を論文誌(ICIC Express Letters)に投稿した.
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件)
ICIC Express Letters
巻: Volume 9, Issue 11 ページ: 3143-3152
計測自動制御学会学会誌「計測と制御」
巻: vol. 54, no. 8 ページ: 567-572