本研究では、楽器演奏における個人性を演奏データから学習し、その演奏スタイルを再現(転写)する表情付き演奏の自動生成技術と、その演奏データを自動生成するための楽譜と音響信号との同期(楽譜アライメント)の二つに焦点を当てて研究に取り組んだ。表情付き演奏生成技術については、再現性の改善などの演奏生成モデルの高度化に取り組むとともに、人間の特徴的な演奏の分析や可視化が可能であることを示した。演奏追跡技術については、主に楽譜アライメント技術の高度化について取組み、基本的な音符情報だけでなく演奏上重要な楽器種やメロディパートといった高次な楽譜情報を活用することで性能を向上させることができることを示した。
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