本研究では、ロシア・バイカル湖の湖底堆積物中の粒度分布、および無機元素比を用いて、過去3万年にわたる南シベリア地域における水文環境変動を復元し、かつそれを引き起こす要因の解明を試みた。堆積物中の粒度分布、および無機元素比は、共に非常に良い相関を持ち、これら二つの指標から、堆積当時の河川水量変動が正確に復元することができた。粒度分布、および無機元素比の数値解析結果より、バイカル湖に流入する河川水量変動が、約1000年の周期を持って変動していることが明らかとなった。この周期は太陽活動変動周期と近く、大陸内部地域における水文変動が、太陽活動に影響し変動することを強く示唆する結果を得た。
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