本研究は,菌核の分布量や化学特性に基づいて土壌風化ポテンシャルとの関係を推察し,菌核形成と土壌生成との関係を明らかにし,土壌-微生物-植物間の相互作用を考察することを目標として実施した。秋田県仙北市のブナ林表層土壌では,土壌性状と鉱物風化の関連を示唆するデータを得た。また,複数地点の土壌各層位から採取した菌核について化学性を調査した結果,特に下層から研究される菌核の外殻側でのアルミニウム富化が認められ,菌核形成菌の活動と鉄・アルミニウムの吸着が示唆されるなど,風化ポテンシャルと菌核分布との関係性を示唆する知見を得ることができた。
|