土壌微生物を撹乱することなく脱窒速度を測定可能な手法である15N希釈法を提案し、その利用可能性を見当した。脱窒速度の代表的な測定法であるトレーサー法と、希釈法により嫌気培養した土壌における脱窒速度を比較した。低濃度および高濃度硝酸添加時において、希釈法で得られた脱窒速度は、トレーサー法におけるそれのそれぞれ4.5倍および1.3倍だった。本研究で検討した高濃度硝酸条件(10 μmol/g soil)は自然環境では見られない。従って、バイアル瓶を用いた小規模での脱窒速度測定において、特に農地土壌のような窒素濃度の高い条件において希釈法が適用し得ることを示すことができた。
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