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2016 年度 実施状況報告書

熱帯林の劣化ステージに対応した土壌有機物の分解機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26740011
研究機関国立研究開発法人森林総合研究所

研究代表者

鳥山 淳平  国立研究開発法人森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (00582743)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード土壌有機物 / 土壌炭素動態モデル / 森林劣化 / カンボジア
研究実績の概要

本研究は森林の減少と劣化の進む熱帯地域において、熱帯林の劣化段階に応じた土壌有機物の減少速度とその規定因子を明らかにするとともに、土壌有機物の炭素貯留量を面的に評価する科学的ツールを開発するものである。
今年度はカンボジアの森林域において、国レベルの土壌有機物の炭素貯留量とその変化量を推定するモデルの構築を行った。カンボジアの国土を7616の格子点に分割し、土壌炭素動態モデルCENTURYをベースとして、Climatic Research Unitの月別気象データを適用した。また土壌有機物の炭素貯留量に影響を与える因子として、火災履歴と、土壌の粒径組成に関するパラメータの調整を行った。その結果、バイオマスや枯死木の減少に対応した、土壌有機物の動態モデルのプロトタイプを構築した。このモデルによってカンボジアの主要な森林帯であるKoh Kong(丘陵地、多雨、砂質土壌)、Kampong Thom(低地、降雨中程度、砂質土壌)、Mondul Kiri(丘陵地、降雨中程度、粘土質土壌)、Kratie(低地、降雨中程度、礫質土壌)等の地域間の土壌有機物の炭素貯留量のバリエーションを表現できることを確認した。今後、これまでカンボジアで収集した農耕地や荒廃地等の土壌有機物の観測データにもとづき、モデルパラメータのさらなる調整と検証を行う。
さらに今年度は、一昨年度に取得した土壌試料について、土壌の粒径組成に関する実験準備を進めた。しかしながら、平成28年の熊本地震により実験設備が被災し、予定した作業を行うことができなかった。このため補助事業期間の延長を申請し、実験設備の復旧を進めている。以上の実験データも、土壌有機物の動態モデルの精緻化に利用される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

土壌有機物の炭素貯留量を面的に評価するモデルの構築を行ったが、土壌の粒径組成に関する実験作業は完了することができなかった。

今後の研究の推進方策

土壌試料の分析を行う。土壌有機物動態モデルの精緻化を進める。カンボジアの環境省および森林局のカウンターパートとコンタクトをとり、論文執筆の打ち合わせを行う。成果をとりまとめて原著論文を投稿する。

次年度使用額が生じた理由

平成28年4月の熊本地震により実験設備が被災し、予定した作業を行うことができなかった。

次年度使用額の使用計画

土壌試料の分析のための実験試薬を購入する。実験補助のために非常勤職員を雇用する。論文執筆のための英文校閲費を計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] カンボジア環境省/カンボジア森林局(カンボジア)

    • 国名
      カンボジア
    • 外国機関名
      カンボジア環境省/カンボジア森林局

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-22  

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