平成27年度は海洋性アナモックス細菌が優占化しているバイオマスを用いて、硫酸還元、マンガン酸化、マンガン還元、鉄還元プロセスの進行を確認した結果、硫酸還元速度が比較的高いことを確認したことより、硫酸還元について増殖が可能か、炭素源が何かなど重点的に行う予定であった。しかしながら、MBR運転によって浮遊状バイオマスを得る際に、ポンプトラブルによってバイオマスの活性が著しく低下したことにより、試験に必要なバイオマスの獲得から再度行う必要があった。 十分量のバイオマスを得るためにup-flow型のリアクター運転も行っていたが、スタートアップに4ヶ月ほどを要した。ここから密度勾配遠心分離によってほぼ100%のバイオマスを得ることを目的としてMBRの運転を行ったが、優占度は上がらなかった。これはMBRの運転でSRTをほぼ無限大としてしまったために、リアクター槽内に菌体由来の有機物成分が蓄積し、従属栄養性の微生物が増殖したためと思われる。 今後の展望としては、まず純度の高いバイオマスを得るためのリアクター運転条件を明らかにするとともに、得られたバイオマスを用いて回分試験を行うといったことがあげられる。
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