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2014 年度 実施状況報告書

魚種横断的な新規生物蓄積予測モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26740039
研究機関熊本県立大学

研究代表者

小林 淳  熊本県立大学, 環境共生学部, 助教 (00414368)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードPCBs / PBDEs / 脱臭素 / 肝ミクロソーム / 代謝
研究実績の概要

H26年度は次年度に向けた海産魚類への残留性有機汚染物質の暴露実験の準備を行い、また野外で採取したスズキ・ボラの肝ミクロソームを用いた代謝実験方法を構築し、予備的な実験を行った。代謝実験においては、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)の脱臭素化反応を明らかにするため、代表的な4異性体(BDE99、153、154、183)を対象物質として選択した。代謝実験の結果、BDE183については、脱臭素化によりスズキではBDE153、154の生成が確認されたが、ボラではBDE154がわずかに生成されたのみであった。BDE153、154についてはスズキ、ボラともに脱臭素化物は確認されなかった。BDE99については、スズキでは脱臭素化物は確認されなかったが、ボラではBDE99の脱臭素化によってBDE47が生成されることを確認した。これらの結果により両魚種で特異的に脱臭素化が可能な異性体が存在し、脱臭素化反応の経路が異なることが示唆された。次年度に生物蓄積モデルのパラメータである代謝(脱臭素化)速度の取得や代謝生成物、代謝経路を規定する因子を探索する予定である。
暴露実験において投与する餌中の対象物質の濃度変動を減らすことは極めて重要であるため、餌中の対象物質(PBDE・PCB)の添加方法を検討した。各餌に個別に対象物質を添加することで変動係数を25%以内におさえることができた。その他、次年度の暴露実験に向けて、海産底生魚(ヒラメ)の中間育成を行い、また中性脂質・リン脂質や甲状腺ホルモンの測定方法を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の計画通り、肝ミクロソームを用いた代謝実験方法の構築、対象魚の中間育成を含めた暴露実験の準備、甲状腺ホルモンや中性脂質などの測定方法の構築を行った。

今後の研究の推進方策

平成27年度は研究計画に沿って、海産魚を用いたPBDE・PCBの暴露実験および肝臓代謝実験を行う。暴露実験によりPBDE・PCBの体内挙動を明らかにして生物蓄積モデルに係る諸パラメータを得るとともに、肝ミクロソームを用いた代謝実験によりPBDE・PCBの代謝速度や代謝物を明らかにする予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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