最終年度である2016年度は,交付申請書に記載したとおり,2014年度・2015年度の研究成果を基礎データとして用い,全ての情報をGIS上で操作可能な空間データに変換し,時空間的な自然災害発生パターンと神社の立地との関係を分析した.その結果を3次元カーネル密度の推計結果をボリュームレンダリングを利用して可視化出来るように設定し,時空間スキャン統計量を計算しプラットフォームとした評価システムを構築し,初期的防災拠点としての神社の要件に対する考察と自然環境・生態系の回復に関わる評価を行った. 2016年4月,熊本地震が発生し,これまで行ってきた「災害における神社力」の検証を図らずも実証解明出来る環境となった.発災後現地に入ったが,実際データ収集に取り掛かることができたのは,数ヶ月も後になってからだった.従って,上記の評価システムを熊本地震に適応して分析を行う事は出来ていない.今後の研究において試行することを決めている. 本研究を通じて,自身の研究を「グリーンインフラ」「Eco-DRR」というキーワードを明確に打ち出し,更なる研究の発展を目指していく方針を見出す事ができた事は非常に大きな成果であると思っている.
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