本研究の目的は、農村電化設備を利用する世帯への調査を通じて、電化設備の利用状況変化や生活水準への影響を分析すること、さらに事業者に対するインタビュー調査を通じて農村電化の在り方を評価することである。家計調査においては、SHSを継続利用している世帯と、SHSと送電線網を併用している世帯を対象に、送電線網利用による効果を推計した結果、電灯やテレビの数は増加したものの、子供の学習時間や収入増加は観察されていない点を明らかにした。更に様々な事業者へのインタビュー調査の結果、需要が大幅に減少していることがわかった。また、SHS導入世帯においても、事業者に対する未払いといった課題が浮き彫りとなった。
|