研究課題/領域番号 |
26750008
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
松河 剛司 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (30580518)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | モーションキャプチャ / 筋電図信号 / ヘッドマウントディスプレイ |
研究実績の概要 |
平成27年度はヘッドマウントディスプレイ(HMD)ジェスチャーインタフェースシステム開発の為に、頭部回転動作によるメニュー操作機能の開発および、既存メニュー操作方法と開発 システムによるメニュー操作方法の操作時間比較実験を行った。 前年度作成したインタフェースのガイドラインを元にジェスチャーインタフェースの開発を行った。頭部回転動作にあわせてメニュー画面を上下左右動かして表示し、画面中央をマウスカーソルのように選択状態にするコンテンツを開発した。また比較検証を行うために選択状態にする機能のみを頭部回転動作ではなくゲームパッドを用いて選択状態が上下左右に遷移するコンテンツを作成した。 頭部回転動作による選択機能の有用性を検証するために開発システムによるメニュー操作方法の操作時間比較実験を行った。実験では被験者は椅子に座り、ゲームパッドを手にした状態でHMDを装着し、HMDに表示されるVR空間内の10個のボタンのうち、ランダムに指示されたボタンを以下の2つの実験でそれぞれ異なる操作方法で操作を行う。1)ゲームパッドの十字キーを使ってボタンを選択中状態にし、ゲームパッドの決定ボタンで決定する。2)HMDのヘッドトラッキング機能を使ってボタンを選択中状態にし、ゲームパッドの決定ボタンで決定する。当初の推論ではゲームパッド使用時のほうがヘッドトラッキング機能使用時よりも操作が早いと考えていたが、実験結果では推論と逆の結果になった。これは選択操作時の移動量が少ない場合はゲームパッド使用時もヘッドトラッキング機能使用時も操作時間はあまり変わらないが、移動量が多くなると明らかにゲームパッド使用時のほうが遅くなる為である。 平成28年度は頭部動作のみのよって選択および決定を行うことができるインタフェース画面を開発する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であった頭部回転動作により表示画面を操作するコンテンツを開発することが出来た。また頭部回転動作で選択状態にすることもできた。評価実験からも頭部回転動作による選択の有用性が分かった。研究成果を人間工学会東海支部大会にて発表を行った。 今後は被験者実験による操作感評価および頭部動作のみで操作を完了できるHMDジェスチャーインタフェースシステムを開発する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の予定通り、頭部回転動作のみで表示画面の操作、選択、決定を行うことのできるコンテンツを開発する予定である。研究を遂行する上でより高い精度で頭部回転を取得できる最新のHMD(OculusRift)が登場しているので、それらを使用し、うなずき動作や首振り動作をはじめとした頭部回転動作による決定・否定を精度高く判定し、操作を行うことが出来るようなインタフェース画面を操作する手法の開発を行う。また開発したコンテンツの評価実験も随時行い、実験結果を開発にフィードバックし使いやすいコンテンツの開発を行う。 研究成果に関しては人間工学会および情報処理学会にて発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で使用するHMDが研究進行中に新しく発表され、研究計画段階で購入を予定していたHMDでなく新しいHMDを購入、その為に旅費・人件費を設備品費に回すなどで対応した結果、物品費1,001,916円、その他2,484円の使用額となり、次年度使用額が127,212円となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は本年度発生した次年度使用額127,212円と次年度請求額600,000円とあわせて使用する。新しく発表されたHMD(OculusRift:単価70,000円×2)、HMDへの画像送出に使用するワークステーション(HP Z640;単価400,000円)を購入予定である。 また国内出張(研究打ち合わせおよび学会参加:187,000円)を行う。
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