平成28年度はヘッドマウントディスプレイ(HMD)ジェスチャーインタフェースシステム開発の為に、頭部動作のみで「選択」および「決定」操作を行うことができるインタフェース画面を開発し、従来手法である手による操作、手と頭部動作による操作、頭部動作のみによる操作それぞれについてメニュー画面操作について操作時間やミス回数などの客観的評価による比較評価を行った。 開発した頭部動作のみで「選択」、「決定」操作を行うインタフェース操作手法は画面中央部分に表示したポイントを、メニュー画面に表示されているアイコンに重ねることで「選択」操作を行い、一定時間その選択状態を維持することで「決定」操作処理を行うシステムである。 本システムの評価を行った結果、手による「選択」「決定」操作、手による「決定」頭部動作による「選択」操作に比較し、選択操作においては手による操作よりも速い傾向があり。「決定」操作に関しては「選択」状態を維持する維持時間分だけ操作が長くなる結果となった。その結果を受けて頭部動作による「決定」を行う際の維持時間を0.25秒、0.5秒、1秒と段階的に設定した結果、ミス回数や操作回数、主観評価による操作のしやすさに個人差がみられた。 上記実験結果を受けて、個人差に対応する機能が提案システムに必要だと考え、頭部動作による「決定」操作に必要な維持時間をユーザーが実際に頭部動作によるアイコンの「選択」操作および選択状態の維持を行い、任意のタイミングで維持状態を解除することにより「決定」操作に必要な維持時間を自分で設定できる機能を提案システムに追加実装した。
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