本研究は、地域居住高齢者の地域生活におけるアクティブ・エイジングを測定する指標を開発することを目的に進めてきた。この目的を遂行するために、本年度では以下の2点に取り組んだ。 1点目は、地域居住の高齢者が地域生活においてアクティブ・エイジングを実現することを目指して、大学が主導してさまざまなイベントを計画し、実施した。これらのイベントは心理学、社会学、老年学、身体生理学等様々な領域にまたがり、また、住民の意見を反映しながらイベント内容を計画をした。それらには、高齢者世代のみが参加できるものではなく、他の世代の地域住民と交流できるよう、小学校や児童館などに積極的に働きかけ、参加募集を行った。結果、回数を重ねるごとに新規参加者が増えていき、特に一度参加した人からの口コミや直接的な参加の勧誘が大きな役割を果たしていた。 2点目は、神戸市灘区鶴甲地区在住の60歳以上のシニア世代の地域住民に対し、大量観察調査を行うよう準備を進めた。この調査では、地域居住高齢者のアクティブ・英人具の現状を把握するほか、子十地域に対する意識や地域における多世代交流に対する意識を把握する質問項目を設定した。 以上の研究実践を遂行するのと並行して、本研究の予備的研究で行ってきた研究結果をもとに、研究論文を作成した。 しかし、本研究期間中に妊娠し、悪阻や体調不良等で研究活動ができない日が多くあった上に、医師からの判断で通常よりも長く産前産後の出産休暇を取得したため、研究を中断せざるを得ず、当初の計画通りに研究が進められなかった。
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