本研究では米飯における黄色ブドウ球菌の増殖及び毒素エンテロトキシンA(SEA)産生の制御を目的とし、菌を添加した米飯を様々な環境下で保存し、菌の増殖やSEA量などを詳細に調べた。グリシンでは飯重量の2~5%、食塩では5~7%の添加でSEA産生を抑制する傾向がみられた。グリシンと食塩を同時に加えてもSEAの抑制効果は認められなかった。また、pH 4.0~4.5でもSEA産生を抑制する傾向が認められた。これらの結果から、米飯の味を考慮すると食品添加物単体でのSEA抑制は困難であり、これらの抑制法をいくつか組み合わせることで米飯のおいしさを保ちつつ、SEA産生を抑える必要があると考えられた。
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