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2014 年度 実施状況報告書

発芽玄米酒粕の呈味増強効果と生理活性

研究課題

研究課題/領域番号 26750033
研究機関長野県短期大学

研究代表者

小木曽 加奈  長野県短期大学, その他部局等, 講師 (30435284)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード発芽玄米 / 酒粕 / 減塩 / 活性酸素消去能 / 呈味 / コク
研究実績の概要

発芽玄米酒粕は発芽玄米を原料とする清酒の残さである。今までの研究で発芽玄米酒粕を製パン時に添加すると「塩味」と「コク」が増強する傾向にあることがわかった。そこで今回、①塩味増強に伴う「減塩」効果の検討と呈味成分の検討、②発芽玄米酒粕の三次機能を明らかにし、食品への応用等を検討することとした。
今回、発芽玄米酒粕と吟醸粕を用いてその呈味成分を検討した。遊離アミノ酸、有機酸、各種ミネラル、全糖量、呈味性ヌクレオチドを分析した結果、発芽玄米酒粕により多く含まれていたのは遊離アミノ酸、有機酸、各種ミネラルであった。吟醸粕には糖質がより多く含まれていた。呈味性ヌクレオチドであるイノシン酸とグアニル酸はどちらにも検出されなかった。これらの成分の違いは精米時の研磨、玄米を発芽させたことに由来するもの、発酵時における調整の違いによるものの3点であろうと示唆された。
減塩についての検討を行った結果、強力粉の1割を発芽玄米酒粕に代替することで6枚切のパン一枚当たり 0.2g 程度(24.2%)の減塩が可能になった。この減塩では「コク味」も「おいしさ」も損なわれることはなかった。またパン一斤中の塩分は6gであるが、全体の1.9 g(32%)までの減塩ではパンの性状である焼き色や香ばしさに変化がないことがわかった。
三次機能として、今回はWST-1でのSOD活性測定法を用いてin vitroにおける活性酸素消去活性測定を行った。発芽玄米酒粕の活性酸素消去能は混合物ベースの換算でIC50値で33.5 mg/mlであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

呈味成分の分析は終了し、塩味増強に伴う「減塩」効果の検討も今後有機酸にしぼって行うことができるため。
また発芽玄米酒粕の三次機能も活性酸素消去能について検討ができ、その他の機能性についても検討を始めつつあるため。

今後の研究の推進方策

今後は「塩味」と「コク味」増強効果について有機酸にしぼって検討を行う。呈味の増強効果については既に酒粕に含まれているリンゴ酸と酢酸に関連があることがわかっているため、これらの2点の量に基づき検討を行う予定である。
また三次機能については血圧降下作用を検討するため、ACE阻害活性試験を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

旅費に充てていた金額について、参加が日帰りなどで済んだため費用が縮小できた。

次年度使用額の使用計画

4529円については来年度以降、学会参加費用に改めて充てる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 発芽玄米酒粕の加工特性と減塩効果2015

    • 著者名/発表者名
      小木曽加奈、岡崎光雄
    • 雑誌名

      日本味と匂学会誌

      巻: 21 ページ: 339-342

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 発芽玄米酒粕の嗜好特性2015

    • 著者名/発表者名
      小木曽加奈、中澤弥子、岡崎光雄
    • 雑誌名

      日本家政学会誌

      巻: 66 ページ: 113-119

    • DOI

      10.11428/jhej.66.113

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 発芽玄米酒粕の呈味増強効果と活性酸素消去能2015

    • 著者名/発表者名
      小木曽加奈、岡崎光雄
    • 学会等名
      日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス
    • 年月日
      2015-03-28
  • [学会発表] 発芽玄米酒粕の加工特性と減塩効果2014

    • 著者名/発表者名
      小木曽加奈、岡崎光雄
    • 学会等名
      第48回日本味と匂学会
    • 発表場所
      静岡市清水文化会館マリナート
    • 年月日
      2014-09-03 – 2014-09-04
  • [学会発表] 発芽玄米酒粕の食品加工特性と減塩効果2014

    • 著者名/発表者名
      小木曽加奈
    • 学会等名
      第8回健康長寿長野研究会
    • 発表場所
      松本大学
    • 年月日
      2014-06-07

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公開日: 2016-06-01  

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