ESRスピントラップ法により、加熱植物油中の過酸化物由来のフリーラジカルを定性、定量した。従来の研究で行なわれたような自動的なラジカル発生法は再現性が乏しくまた微弱な信号しか得られなかったのでPBNをスピントラップ剤として用い、紫外線照射によって生じるラジカルのアダクトを検出した。その結果、ラジカル濃度が植物油の酸化の進度に比例して増加することを見出した。ESR信号の解析により、植物油中でESR信号を示すラジカル種はPBNの・OORアダクトと・ORアダクトであると結論した。本研究により、ESRスピントラップ法を用いた食用油の酸化評価法を確立することができた。
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