本研究ではmiRNAによるmRNA制御に着目し、食後におけるこれらの発現変動解析から、血管炎症に対して予防的に働く食品因子を明らかにすることを目的とした。飽和脂肪酸であるパルミチン酸やグルコースの刺激により、血管内皮細胞における炎症や細胞死が惹起されること、ポリフェノールなどの食品因子の中にはそれらを抑制する作用を有するものがあることが明らかとなった。また、ヒトが脂肪を摂取した際にも、末梢血単核球において炎症などに関連するmRNA発現が増加する可能性が示された。それらをターゲットとするmiRNAを検索した結果、血管炎症の制御に関与しうるmiRNA-mRNAの調節機構が存在する可能性を見出した。
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