研究課題
本研究は、食行動の基本原理を解明するため、その基盤となる精密な脳内の味覚地図を単一味覚ニューロンの解析を通して作成することを目標としている。平成28年度は、「視床味覚野における甘味、酸味、および苦味受容性の単一味覚ニューロンの同定および可視化」を行った。「視床味覚野における甘味、酸味、および苦味受容性の単一味覚ニューロンの同定および可視化」:前年度、視床味覚野において、juxta cellular 法を用いて単一の塩味受容ニューロンを同定した後、その全体像を可視化した。本年度は、塩味以外の味質 (甘味、酸味、および苦味) を受容するニューロンについても同様の方法を用いて検討を行うこと目的とした。視床味覚野にトレーサーを充填したガラス電極を刺入した後、舌を甘味 (0.1M スクロース)、酸味 (0.03M 塩酸)、および苦味 (0.003M キニーネ) で刺激し、味覚ニューロンを特定、トレーサーを注入した。その結果、塩味受容ニューロンと同様に甘味、酸味、および苦味ニューロンの軸索もまた、線条体腹側部に側枝を伸ばしながら島皮質に至り、そこで軸索終末を多数分配している像が認められた。これらの味覚ニューロン間での島皮質内での分布の違いについては、現在解析を進行させている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件)
The Journal of comparative neurology
巻: 525 ページ: 166-185
doi: 10.1002/cne.24054
Japanese Dental Science Review
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
doi: 10.1016/j.jdsr.2017.01.003