高リン血症は血管石灰化の促進因子であり、動脈硬化性疾患の発症に強く関与するため、血中リン濃度の適正な管理は緊急課題である。そこで本研究は、適正な血中リン濃度の管理における食事療法の構築を目的とし、リン摂取量算定式の確立と食事摂取時刻がリン代謝に及ぼす影響の解明に取り組んだ。その結果、24時間蓄尿法を用いたリン摂取量の算定は、尿中リン排泄量のみならず、尿中尿素窒素排泄量を用いることで精度が向上すること、短期間のリン摂取量評価指標として有用であることを明らかにした。また夜間の飲食はリン排泄を抑制し、血清リン濃度の上昇を引き起こすため、リン摂取量のみならず食事摂取時刻も考慮する必要性を明らかにした。
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