糖尿病性腎症の食事では、たんぱく質の過剰摂取を控え、エネルギーを炭水化物もしくは脂質で充足させる必要がある。本研究では糖尿病性腎症に対する低たんぱく食療法における脂質と炭水化物の摂取比率の違いが腎機能におよぼす影響を基礎的に検討した。その結果、糖尿病性腎症モデルラットにおいて脂質の多い食餌は、炭水化物の多い食餌に比べ同程度のエネルギー摂取量であっても腎臓に異常な脂肪(異所性脂肪)を蓄積させ、腎機能を低下させることが示唆された。本研究の結果より糖尿病性腎症の食餌において炭水化物と脂質の摂取比率の違いが腎機能に影響を与えることが明らかとなった。
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