研究課題/領域番号 |
26750056
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
高田 尊信 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教 (20515308)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食習慣 / 糖尿病 / 膵癌 / 生活習慣病 / TAGE |
研究実績の概要 |
従来から、糖尿病と膵癌の発症、進展には関連性があると考えられている。しかし、糖尿病患者における膵癌発生・増悪因子の解明は殆ど進んでいない。また糖尿病をはじめとする生活習慣病の主因と考えられるtoxic AGEs (TAGE) と膵癌の発症・進展に関する研究は全く検討されていない。 そこで、平成26年度は、高血糖条件下の膵管癌細胞内でのTAGE生成が細胞自身に及ぼす影響を検討した。高グルコース培地で培養したヒト株化膵管癌細胞PANC-1にTAGE前駆体グリセルアルデヒド (GA)を添加した結果、GA濃度依存的に細胞生存率の低下が認められた。並行してPANC-1の免疫染色を行い、GA濃度依存的に、細胞内でのTAGE生成の増加が観察された。 細胞内で生成する微量のTAGEを定量するためのSlot-blot法の改良に取り組み、TAGEの検出感度を従来法よりも30倍以上に高めた「微量TAGE定量法」を開発した。現在、PANC-1以外の細胞も含めて、本手法による微量TAGEの定量を実施中である。 また、ウェスタンブロッティング法 (WB法) によって、細胞内TAGE化蛋白質の分子量を解析した。抗TAGE特異抗体及び中和抗体を用いて詳細に解析した結果、特異的なTAGE化蛋白質のバンドが複数観察された。さらに、「膵癌関連タンパク質」のWB解析を行った結果、TAGE化によりその存在量に増減が見られ、現在、細胞死とこれらのTAGE化蛋白質の関連を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、当初の計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、今年度は平成26年度の研究成果をふまえ、次の4つのプロジェクトを遂行する。 1. TAGE前駆体のGA添加によりTAGE化を受けた膵癌関連タンパク質と細胞死の関連性を検討する。 2. 二次元電気泳動を駆使し、細胞内TAGE化蛋白質の網羅的解析を検討する。 3. 柑橘類などの食品成分による、細胞内TAGE生成阻害活性を検討する。 4. 膵癌細胞にTAGE化蛋白質を添加し、細胞外TAGEが細胞死などに与える影響に関しても検討する。
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