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2016 年度 実績報告書

大豆イソフラボン構成成分の乳癌予防機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26750059
研究機関中村学園大学

研究代表者

小野 美咲  中村学園大学, 栄養科学部, 助教 (10441726)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード大豆イソフラボン / 乳癌 / 併用添加 / ゲニステイン / エクオール / アポトーシス / 乳癌モデルラット / がん遺伝子
研究実績の概要

細胞実験によりエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)で分類されるサブタイプの異なる乳癌細胞を用いて、大豆イソフラボンの併用添加効果を検討した。GENはER陽性細胞(MCF-7)においてのみ、EQとの併用で相乗効果を示し、その他のいずれのサブタイプおよび成分の組合せにおいてもまったく相乗効果を示さないという興味深い結果を得た。さらに、このMCF-7に対する相乗効果は、抗アポトーシス蛋白Bcl-xLの減少とアポトーシス誘導蛋白Baxの増加が同時に起こることによる、アポトーシス誘導であることを明らかにし発表した。この結果を踏まえ、GENとEQの併用投与による動物実験を行い、併用投与では形成する腫瘍重量が小さく、発症遅延の傾向を確認するに至っている。細胞実験での単独添加による検討では、GENは、乳癌細胞に対して他の大豆イソフラボンと比較し、顕著な細胞増殖抑制効果を示し、またサブタイプに依存しないことも確認した。さらに乳癌などのヒト癌で高率に活性化している癌遺伝子Src/Rasを導入したヒト上皮癌細胞に対して、GENはSrc遺伝子導入細胞に対する細胞増殖抑制作用が非常に強く、さらにSrcはGEN以外の、他の3種の大豆イソフラボンに耐性であることが明らかとなった。Src導入細胞に対するGENの細胞増殖抑制作用は、アポトーシスを全く誘導せず、完全な細胞周期停止であり、細胞周期関連蛋白であるp53およびp21の増加に伴うものであることが判明した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)

  • [雑誌論文] Equol Enhances Apoptosis-inducing Activity of Genistein by Increasing Bax/Bcl-xL Expression Ratio in MCF-7 Human Breast Cancer Cells2017

    • 著者名/発表者名
      Misaki Ono, Kaoru Ejima, Takako Higuchi, Mikako Takeshima, Rei Wakimoto, and Shuji Nakano
    • 雑誌名

      Nutrition and Cancer

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Differential anti-proliferative activity of isoflavones against Src-activated human adenocarcinoma cells2017

    • 著者名/発表者名
      Misaki Ono, Takako Higuchi, Mikako Takeshima, Rei Wakimoto, Shuji Nakano
    • 学会等名
      Experimental Biology 2017
    • 発表場所
      Chicago Illinois
    • 年月日
      2017-04-24
    • 国際学会
  • [学会発表] Effect of Equol on Hormone-dependent Rat Mammary Carcinoma Induced by Ethyl Methanesulphonate (EMS)2016

    • 著者名/発表者名
      Misaki Ono, Mikako Takeshima, Takako Higuchi, Takaomi Koga, Shuji Nakano
    • 学会等名
      第75回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-10-08
    • 国際学会
  • [学会発表] Mechanistic study for interaction of soy isoflavones in vitro and in vivo animal model2016

    • 著者名/発表者名
      Misaki Ono, Takako Higuchi, Mikako Takeshima, Shuji Nakano
    • 学会等名
      International Congress of Dietetics;ICD2016
    • 発表場所
      SPAIN GRANADA
    • 年月日
      2016-09-07
    • 国際学会
  • [学会発表] EMS誘発性乳癌モデルラットに対するエクオールの腫瘍抑制効果の検討2016

    • 著者名/発表者名
      小野美咲、竹嶋美夏子、樋口貴子、中野修治
    • 学会等名
      第23回日本がん予防学会総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2016-07-02
  • [学会発表] リコペン高含有トマトパウダーの乳癌発症予防効果‐ EMS誘発性乳癌モデルラットによる検討2016

    • 著者名/発表者名
      竹嶋美夏子、小野美咲、甲斐田遥香、脇本麗、古賀孝臣、中野修治
    • 学会等名
      第70回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2016-05-14
  • [学会発表] ジメトキシレスベラトロールによる乳癌のサブタイプ別抗腫瘍効果の機序解析2016

    • 著者名/発表者名
      脇本麗、竹嶋美夏子、小野美咲、樋口貴子、中野修治
    • 学会等名
      第70回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2016-05-14
  • [学会発表] Effect of Equol on Hormone-dependent Rat Mammary Carcinoma Induced by Ethyl Methanesulphonate (EMS)2016

    • 著者名/発表者名
      Misaki Ono, Mikako Takeshima, Takako Higuchi, Takaomi Koga, Shuji Nakano
    • 学会等名
      AACR Annual Meeting 2016
    • 発表場所
      New Orleans, Louisiana
    • 年月日
      2016-04-17
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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