玄米に対する湿熱処理(デンプンが糊化しない程度の低水分条件下で米を水蒸気加熱する処理)を水蒸気圧0.1~0.3 MPaの条件で5~30分間行った。そして、糠層や胚芽部分に含まれている機能性成分のうち、フェノール性化合物および脂溶性ビタミンに着目し、精米後に残存する成分量と抗酸化能について、湿熱処理条件との関連性を検討した。その結果、湿熱処理後に精米した白米は、未処理の白米と比較して総ポリフェノール量、脂溶性ビタミンが多く、抗酸化能についても高い値を示した。したがって、湿熱処理によって機能性成分が胚乳へ移行することが示唆され、湿熱処理条件のうち、水蒸気の圧力が影響を与えることが明らかとなった。
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