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2015 年度 実績報告書

気候変動学習の基礎となる自然経年体験を擬似的に拡張する森林連日記録映像の観察

研究課題

研究課題/領域番号 26750065
研究機関東京大学

研究代表者

中村 和彦  東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任研究員 (70707075)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードフェノロジー / 自然体験 / サウンドエデュケーション / 省察的補完 / ゲーミング
研究実績の概要

本研究は、(A)森林連日記録映像を用いた自然経年変化の観察によって気候変動問題を身近に感じるか、(B)既有自然体験の拡張として経年変化を観察させるために効果的な映像教材の要素は何か、の2点を明らかにすることを目的とした。しかし、この一連の研究計画の出発点となる、対象学習者の既有自然体験は、把握や類型化が想定以上に困難を伴うことがわかってきた。この部分に取り組まなくては当初の目的に近づくことは叶わないため、今年度は対象者を小中学生にまで拡げ、既有自然体験の把握に関する以下の成果を得た。
1点目は、自然体験に際して事前の学習を行った場合、その効果が自然体験時にどのように表れるかという視点からの自然体験把握である。具体的には、前年度に学習プログラム実践を行った東京都の中学生196名について、聴覚的意識の向上をねらった事前学習プログラムの効果を自然体験時の発見点の把握によって検討した。聴覚的発見を行った生徒は、楽曲の聴取に対する意識も高いことが示唆された。
2点目は、自然体験時の映像記録を振り返り学習時に提示した場合の、対象者の反応である。具体的には、今年度新たに対象とした山梨県の小学生59名について、自然体験活動時の映像記録を行い、その記録映像を約1ヶ月後の振り返り学習時に対象児童へ提示し、これにより児童が自身の既有自然体験を保持しながらの調べ学習が行えた。対象者の既有自然体験の把握には、単なる過去の自然体験の有無や多寡だけではなく、それらを振り返る学習をどの程度行ったかも考慮する必要性が示唆された。
3点目は、既有自然体験を振り返るゲーミング教材「フェノロジートランプ」の完成である。昨年度に小学生に対して行った実践に加え、今年度には大学生を対象とした実践を行い、その結果を反映させることで、幅広い年齢層から既有自然体験を引き出せるツールとして洗練された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 自然観察の事前学習における楽曲の聴取と表現を通した聴覚的意識の向上2016

    • 著者名/発表者名
      中村和彦
    • 雑誌名

      環境教育

      巻: 25(3) ページ: 38-49

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ゲーミング手法による季節体験の振り返りと共有の試み ―小学校第4学年における「フェノロジートランプ」の活用―2016

    • 著者名/発表者名
      中村和彦・福本塁・岡歩美
    • 雑誌名

      日本環境教育学会関東支部年報

      巻: 10 ページ: 1-4

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 森林フィールドワークを原体験とした小学校授業におけるインターネットと映像コンテンツの活用2016

    • 著者名/発表者名
      中村和彦・斎藤馨・藤原章雄・奥山賢一・中村忠廣・伊東恵子・八代一浩
    • 学会等名
      第127回日本森林学会大会
    • 発表場所
      日本大学(神奈川県・藤沢市)
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-30
  • [学会発表] ゲーミング手法による季節体験の振り返りと共有の試み―小学校第4学年における「フェノロジートランプ」の活用―2016

    • 著者名/発表者名
      中村和彦・福本塁・岡歩美
    • 学会等名
      日本環境教育学会第10回関東支部大会
    • 発表場所
      学習院大学(東京都・豊島区)
    • 年月日
      2016-03-13 – 2016-03-13
  • [学会発表] 自然観察の事前学習における楽曲の聴取と表現を通した聴覚的意識の向上2015

    • 著者名/発表者名
      中村和彦
    • 学会等名
      日本環境教育学会第26回大会
    • 発表場所
      名古屋市立大学(愛知県・名古屋市)
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-23

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公開日: 2017-01-06  

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