| 研究課題/領域番号 |
26750072
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| 研究機関 | 金沢工業高等専門学校 |
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研究代表者 |
藤島 悟志 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (10411787)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | Brain Machine Interface / Brain Computer Interface / 脳波制御ゲーム / 高専生向け教材 / 簡易脳波計 / タブレット端末 |
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| 研究実績の概要 |
近年新たな入力装置として期待されている脳波を利用し，小中学生の工学への興味・関心向上のための体感型教材の開発および，高専制御系科目（特に，システム制御や制御情報など）で利用可能な，制御学習教材（脳波計測，脳波認識，外部制御アプリケーション）の開発を行うものである．その中で，脳波を計測するには，容易に計測が可能なヘッドセットタイプの脳波計測器を使用することで，脳波に対するハードルを可能な限り下げて，楽しく触れることを目指している．
平成27年度は，昨年度に引き続き簡易脳波計としてNeuroSky社のMindWave Mobile（以下，脳波計）を用いた脳波アプリケーションの開発を進めた．小中学生向けのアプリケーションには脳波だけでなく，Kinect V2を用いたコンピュータによるユーザの動作認識も取り入れ，キャラクタの空中浮遊には脳波値を，前後左右の移動には手の振りの認識を適用した．これにより，自身の脳波に加えて，手の動作によってアプリケーション内のキャラクタを操作することが可能となり，小中学生により興味を持ってもらうシステムへと近づいたと考える．
また，高専生向け教材としては，システムの内部処理を講義を通じて学習することが目的のひとつとなる．平成27年度は脳波認識後の外部制御への応用について検討を行った．外部制御の機器として学生自らが考える電子回路やロボットハンドへの応用を検討し，それらに対応するためにマイコンボード（Raspberry Pi2）の導入を行った．これにより，自作電子回路をRaspberry Pi2に接続して制御することができる．加えて，Raspberry Pi2上で動作するOS（Raspbian）はLinuxであり，Linuxに触れる機会が同時に得られることから，学生への学習効果が高まると考える．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
簡易脳波計としてNeuroSky社のMindWave Mobile（以下，脳波計）を採用した教材開発を行ってきた．研究計画より遅れている項目は小中学生向け，高専生向け教材どちらにも存在している．小中学生向けの脳波制御ゲームでは2人対戦型エアホッケーゲームやWiiリモコンを使ったアクションゲーム，そしてKinect V2によるジェスチャ認識を取り入れたアクションゲームなどを開発した．視覚的なクオリティはある程度持たせられているが，まだ難しい部分があり，予定が遅れている要因となっている．
高専生向け教材については脳波認識後の外部機器への出力において，Raspberry Pi2を導入した．教材として利用するためには，Raspberry Pi2の使用方法（OSインストール，Linuxの基礎的な使い方）の教材開発が必要となる．Linuxに触れる機会がほとんどない学生向けの教材となるため，時間が要している．また，計測した脳波を解析するためのフーリエ解析やパワースペクトルの算出などの教材も開発してきたが，これまでの数学や専門科目で習ってきた内容と整合性確認の工程が残っている．
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| 今後の研究の推進方策 |
小中学生向け脳波制御システムにおいてはタブレット端末で動作するアプリケーションに加えて，Sphero社が開発した球状のドロイドを脳波によって制御できないか検討している．アプリケーション内のキャラクタだけなく，目の前にある物を動かすことができれば，より関心・興味を引くことが期待できる．開発したアプリケーションを本校でのイベントや外部イベントにて来場者に使ってもらい，評価を受けることも行っていきたい．
高専生向け教材ではやや遅れている教材開発を粛々と進めていく．そして，脳波認識アルゴリズムとしてナイーブベイズに加えて，近年人工知能において注目されている深層学習（Deep Learning）を取り入れることも検討していきたい．アルゴリズムをすべて理解するには本校学生には難しいため，ライブラリを使った脳波認識の演習などを検討していきたい．最新の技術に触れる機会を本教材を通して設けたい．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
必要な備品や消耗品の購入を行ったが，購入を予定していた簡易脳波計の発売が遅れため購入することができなかった．次年度に新しい簡易脳波計を購入することとし，予算を残した．
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| 次年度使用額の使用計画 |
新しい脳波計としてEmotiv Insightの購入を行う．簡易性は維持されたまま，より精度高く幅広い応用が考えられるため，この当該助成金も活用して購入したい．
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