研究課題/領域番号 |
26750074
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渡辺 友美 早稲田大学, 人間科学学術院, 招聘研究員 (80727446)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 展示開発 / 展示評価 / 展示デザイン / 水族館 / 生物 / 科学コミュニケーション / 科学教育 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、研究現場の可視化技術・成果を活用した展示物の開発と評価を通して、生物機能や生態の理解に必要なミクロの視点を効果的に扱う「ミクロスケール展示」の展示デザインモデルを提案するものである。本研究はミクロスケール展示に関する既存展示調査と、展示開発・評価の2つの流れで実施する。国内外ミクロスケール展示の現状、及び実際の展示開発より抽出される研究現場と博物館展示制作者の恊働に必要な要素を合わせて考察し、分かりやすく教育効果の高い情報発信を行うための知見を研究者・展示制作者に還元することを目指す。 平成27年度は、展示開発・評価について、民間企業の水族館と連携して肺魚の体構造と生態を紹介する展示映像コンテンツを開発し、実践した。当該コンテンツでは視聴環境として携帯端末とAR(拡張現実感)技術を用いることで、コンテンツの見せ方までを含めたデザインを提案できた。さらに開発したコンテンツを用いて、一般利用者を対象とした評価を実施した。一方既存展示調査のうち国外博物館調査の第一回目として、欧州の自然史系博物館及び水族館13館の展示調査を実施した。 27年度は前年度の成果を受け、ミクロスケール展示開発に必要とされる題材や着眼点などの質的要素、研究者や技術者の関わりなどの人的要素、必要とされる機材や計画などの技術的要素に注目しながら第二回目の実践を行うことができた。またもう一方の柱である既存展示の現地調査を進めることができた。今年度は開発実践のまとめと既存展示の調査を中心に研究を進め、ミクロスケール展示開発のモデルを構築していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の柱の一つである展示開発と評価について、他機関と連携した第二回目の検討を計画通りに遂行することができた。展示調査については昨年延期となった国外展示調査を実施することができた。当初の計画から1年遅れての実施となっているが、今年度も引き続き計画を実施していく。国内展示調査については概ね計画通りに進んでいる。質問紙を用いた調査については、現地調査の過程でその内容及び方法を再度検討する必要ができたため、現在はその対応中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は当初予定からやや遅れている国内外展示調査を重点的に進めると同時に、研究のまとめと発表に向けたデータの解析を進めていく。展示開発については6月の日本展示学会での発表に加え、投稿論文も準備中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
H26年度に実施予定であった第一回目の国外展示調査が当該年度に実施できず、H27年度にずれた。それに伴い、H27年度に実施予定だった第二回目の調査をH28年度にずらして実施することになった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度中にすべての研究計画を実施し、繰り越し分を含めた予算を使用する予定である。
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