研究課題/領域番号 |
26750078
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉森 公一 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 准教授 (40581632)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教育工学 / 反転授業 / 反転教室 / ルーブリック / クリッカー |
研究実績の概要 |
教師の教授課程、学習者の学習過程に注目し、①授業前学習のための板書の記録とスライド資料へのアノテーションの記録、②板書・資料を教師音声と同期した教材作成と配信、③事前学習をもとのにした教室での教室での議論・TBL学習の効果検証を研究項目として設定する。板書は、文字の大きさ・密度・提示と消去のタイミング・配置を時系列で分析し、スライド資料へのアノテーションは、注釈下線等の追記を時系列で分析する。板書・スライド資料と教師音声を合わせて映像教材の作成を用意にする教材作成支援システム、moodle等のLMSを利用した教材配信支援を合わせて検討する。教室での対面の議論を活発にするために、クリッカー(リモコン式の集計装置)を用いて、学生の思考プロセス変容を時系列で追跡する。学修成果となる評価指標をルーブリックで記述し、授業ポートフォリオによって質的変化についても検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)板書の記録およびスライド資料へのアノテーションの記録について、実際のモデル授業にて、ビデオカメラでの板書収録とスクリーンキャスト記録ソフトウェアにより収録した。2つの方法のうち、スクリーンキャスト記録は授業前学習のための、ビデオカメラによる板書記録は授業後学習のための分析に用いた。板書およびアノテーションの事後の分析支援については、やや進捗が遅れており引き続き開発を進める。 (2)1で作成された板書・資料は、教師音声と同期してLMSを通じ配信し使用した。また、学生同士のディスカッションは、LMS上のWeb会議室の投稿記録と、ワールドカフェの手法を用いて模造紙に記録させたものを分析に用いた。 (3)授業内にクリッカーを利用した学生の応答を記録し、思考プロセス変容を時系列で追跡した。授業後の学修成果の評価については、グループディスカッション・レポート作成のルーブリックを試行的に作成し用いた。これらの評価の実際については、アクティブラーニング型授業における反転授業の効果検証として、文部科学教育通信での「ルーブリックが結ぶ教育接続」連載、大学教育改革フォーラムin東海にて報告した。
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今後の研究の推進方策 |
ビデオ提示による授業前学習は、クリッカーにより支援された教室での教師-学生間の応答やグループディスカッションを促し、ルーブリックを用いることで授業後の教授・学習の振り返りが促進される。今後、授業内の板書記録とグループディスカッション記録、提出されたレポートのフィードバックを合わせた授業ポートフォリオとして振り返りを支援する方策を引き続き検討し、教師の自己評価・学生の自己評価の検証をモデル授業として提示・提案する。研究協力者である青野透教授の退職に伴い、金沢大学大学教育開発・支援センターの教員と連携して情報提供を受けながら、授業実践についてもアドバイスを受ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
記録用ビデオカメラ等の物品費が予定より少額となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費として使用予定である。
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