本研究の目的は,高等教育の初年次キャリア教育において,主体的にキャリアを形成する能力を育むために進路選択自己効力に着目し,相互評価学習の実践モデルを構築することである. 相互評価学習の実践をもとに検証した結果,①相互評価学習の要素と自己効力の変化の関連の質的検討から,他者から評価を受けることによって自信を獲得し,進路選択課題の達成につながり,効力感に影響する可能性が示唆された.②相互評価学習を含む授業設計が,対面授業とeラーニング科目において自己効力向上に有効であるものの,長期的に進路選択自己効力を維持するための方策,相互評価学習システムの改善,学習コミュニティ構築の必要性が浮かび上がった.
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