生命医科学と疾患当事者の関係は,大きな転換期を迎えている.その背景には,米国や欧州等を中心に,研究開発の早期から疾患当事者や市民の意見や視点を吟味,検討する「疾患当事者の研究参画」が急激に広まっていることが挙げられる.本研究は,疾患当事者の研究参画を巡る国内外の状況に着目し,(1)日本国内を中心とする萌芽的事例の収集と分析,(2)米国や欧州における研究参画の動向の調査を行い,それらの結果と合わせて(3)国内の市民参加領域や科学コミュニケーション領域における手法や先行事例を吟味し,国内の生命医科学研究における疾患当事者参画のあり方の検討と試行を行った.
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