研究課題/領域番号 |
26750104
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
阿児 雄之 東京工業大学, 博物館, 特任講師 (00401555)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 博物館情報学 / フロアガイド / オープンデータ / OpenGLAM / OpenStreetMap / Wikipedia |
研究実績の概要 |
平成28年度は、フロアガイドに記載されている語句とピクトグラムについて整理・分析をおこなった。
博物館・美術館、図書館、文書館の公式ウェブサイトに掲載されているフロアガイド/フロアマップを調査、フロアごとに記載されている語句とピクトグラムを抽出整理した。その結果、建物設備に類するものについては、JISで定められているピクトグラムがひとつの標準として使用されていることが判明した。しかし、そのピクトグラムのデザインはまちまちであり、JISに則ったものに限らないという現状も露わとなった。そこで、使用頻度の高いピクトグラムについて、各館で活用できるピクトグラムを新たに制作・配布した。次年度以降、このピクトグラムの活用普及に努める計画である。なお、継続的に進めてきたフロアガイド記載の語句・ピクトグラム整理データは、博物館版が加わり、博物館・美術館687フロア、図書館126フロア、文書館31フロアとなった。このうち、整理が終了したものより順次LinkData.oeg(http://ja.linkdata.org)を通じて公開している。
また、これらの成果は、図書館関係や博物館・美術館関係の研究会にて、発表をおこなってきた。館種を超えて収集し、分析することで、館種によってフロアガイドにて伝えたいものが異なるという傾向がみえてきた点が興味深い。そして、情報発信という点において、関係者よりフロアガイドが大事であり、を見つめ直す機運が高まったという声が届いており、本研究の意義も拡大してきたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでのフロアガイド収集と分析の結果、博物館・美術館、図書館、文書館におけるフロアガイド傾向が明らかになってきた。しかし、実際にフロアガイドを制作する方針・方法・手順について、具体的な検討段階に入ることができていない。実際の博物館などでワークショップを開催し、制作手法を構築していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し、自由にフロアガイドを作成できる環境・手法ならびにデータ・参考資料を整えることを目的とする。各自でフロアガイドを制作するために参照する情報整備はほぼできているので、具体的な制作ガイドラインを最終報告として刊行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
繰越し額の内容は、文化施設のフロアガイド収集にかかる通信費と旅費である。通信費については、返答をいただけるであろう協力館の数が見込めず、収集を実施できない状況であった。また、旅費については、参加を予定していた国際会議への参加調整が日程状困難であり、参加を断念することとなったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
実施できなかったフロアガイド制作ワークショップを開催する。また、これまで実施してきたフロアガイド収集・分析とワークショップ開催成果を軸として、各種学会などで発表する予定である。
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