研究課題
最終年度は,EV・FCVの普及がもたらす都市活動の変化に焦点を当て,項目(e)・(f)を分析した.項目(e)では,EV・FCVの普及が交通機関選択へ与える影響を分析した.前述のように,EVは航続距離限界によって,またFCVは車両価格の問題から,ガソリン車に比べ利便性が劣ることが避けられない.結果として,EV・FCVの普及は,車・鉄道・航空の交通分担率に対しても影響を及ぼす可能性がある.研究実施者者は,リニア新幹線の開通による需要予測も踏まえつつ,ガソリン車からEV,FCVとなることによる所要時間や費用負担の増加等を明らかにした.その過程においては,都市活動分布形成モデルとして有名なハリス・ウィルソンらによるバランス・メカニズムの一般化も試み,より包括的な都市活動の均衡状態を表現しうるよう,一般化を行った.項目(f)では,EV・FCVの普及が都市活動分布に与える影響について分析した.特に地方都市において,交通手段としての車は必要不可欠なものである.したがって,居住地や就業地,商業地などの配置(分布)は,車の存在を前提として形成されていることが示唆される.そこで本項目では,航続距離限界といったEV・FCVの特徴を加味することによって,EV・FCVの普及が,最適な都市規模や都市活動分布に,如何なる影響を与えるかを明らかにした.結果として,EVの普及によって,最大で1.4倍の距離迂回など,大幅な不便をこうむる地域の存在を明らかにした.
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