東北地方太平洋沖地震や南海トラフ巨大地震によって生成される巨大津波では,10mを超えるような水位変化に伴い地盤は液状化する.そこで本研究では,津波避難ビルの安全性向上を見据え,津波によって発生する地盤の液状化現象を解明することとその対処方法を検討した.その結果,自らの重みだけで津波に抵抗できない中低層の建物は杭による抵抗が機能するかどうかが建物の転倒流出の鍵を握っており,その杭の健全性を評価するためには,地震と津波による地盤の応答特性を把握することが重要であることが分かった.また,周辺建物群は,その並び方の条件によっては,対象建物をむしろ転倒しやすくする場合があることが明らかになった.
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