4D-MR画像から腫瘍動態を抽出し,X線画像と位置合わせを行っておく.放射線治療中のX線画像上から横隔膜位置.形状を取得し,これらの情報から腫瘍位置を検出することが本研究課題の目的である. 平成26年度ではX線画像中の横隔膜形状から腫瘍動態を推定する手法を中心に構築したため,平成27年度においては4D-MR画像から腫瘍動態を抽出する手法の構築とその高精度化に注力した.具体的には経時的なMR画像群に対して非線形位置合わせ手法を行い,各呼吸位相における腫瘍位置や形状を取得する.変形手法を改良することで,位置合わせ精度を向上させつつも,人体では発生し得ない不自然な変形結果を大幅に削減することが可能となった.位置合わせ手法において任意入力可能なパラメータが多く存在するが,変形精度との関係を調査することで,安定した結果を得るための準最適パラメータの決定を行った. これらとは別にCT画像との位置合わせ精度も同様に向上させることができ,治療計画に必要な4D-CT画像もまた生成できるようになった. また,機械学習を用いることで,X線画像から呼吸位相(横隔膜位置)を自動で求めるための手法を構築した.検出精度が約85%と改善の余地があるものの,一定の効果が確認された.
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