研究課題
マルチスライスCTの進歩により高精細な3次元CT画像が取得できるようになった.医師はこれを用いて3次元肺構造を認識し,肺病変の高度な診断・治療を行っている.この中で300~600枚の画像を利用するためコンピュータによる効率的かつ高度な診断・治療が求められている.本研究では3次元CT画像を用いて病変(肺がん,COPD,間質性肺炎等)がある異常例から肺構造を高度に解析するソフトウェアの研究開発をする.我々は既に異常肺構造の葉間裂抽出法を開発して世界トップクラス性能を得ている.医師から要求がある肺動静脈分類,肺区域分類,肺区域分類に基づいた気管支・肺動脈・肺静脈の枝名付けを対象にして異常肺構造の高性能画像解析ソフトウェアを研究開発し,臨床研究を行って有効性を示す.このため,1.正常例と肺病変を含む異常例の胸部CT画像データベースの構築,2.画像解析ソフトウェアの開発・改善とプロトタイプシステムの開発,3.臨床研究による評価・改善からなる.本年度は主に1.2.に取り組んだ.協力医療機関の倫理審査委員会の承認を得てデータベース構築を研究計画通り推進させた.得られたCT画像からマニュアル処理によって画像解析ソフトウェアのトレーニング・評価のためのゴールドスタンダード作成を行った.形状の情報を用いて胸部構造を簡略化した表現をすることで詳細に胸部構造を解析する画像解析ソフトウェアの開発を進めた.
すべて 2016
すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)