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2015 年度 実施状況報告書

映像・センサ等の多種情報統合による医療スタッフの動作定量記録方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26750168
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

鈴木 孝司  東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (00468688)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード手術工程 / プロセスマネジメント / 暗黙知 / 手術安全 / 距離画像
研究実績の概要

これまで手術安全に対する様々な取組みが行われてきたが、スイスチーズモデルに代表されるように安全対策の僅かな穴を突いて生じる事象こそが危機的状況に到る可能性のあるリスクである。一方でハインリッヒの法則に示されるように重大事故の背後には数多くの異常や軽微な事故があり、それらを事前に検出し危険の芽を検出し、リスク分析をすることが重要である。
そこで本研究では手術室内における医療スタッフの動作を記録・解析する。これにより、手術室内の作業プロセスを定量的に可視化し、そして特に問題の発生していない「通常」の手術プロセスを各手術フェーズ毎に定義する。その定義から外れるケースを異常値として検出し、手術中の危険の芽として抽出することを目指す。
本年度は、昨年度手術室内で記録した30症例のデータ(RGB画像およびDepthデータ)を用いて、データ解析部分を中心に、特に医療スタッフの移動を定量的に解析することに取り組んだ。医療スタッフが非スタッフ(手術機器等)と誤認されることを防ぎ、抽出精度を向上させるため、RGB画像からSURF(Speeded Up Robust Features)を用いた局所特徴量抽出とBoF(Bag of Features)による単一特徴量への変換を行い、SVM(Support Vector Machine)による識別を行った。また医療スタッフの位置情報・移動量を用いて手術フェーズの推定をすることとした。手術室内をN×Nマスの区画に分割し、その区画内での医療スタッフの移動距離を1分ごとに計算し、その区画におけるその時間の特徴量とした。その特徴量を用いて、手術フェーズを推定するために、隠れマルコフモデルを採用した。結果、実際に手術フェーズに対応する形で状態遷移が行われることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

昨年度大幅に前倒しで、医療スタッフの位置・移動の定量的記録を目的としたRGB+Depthカメラ3ch分の手術室への導入と実際の臨床例の記録(30症例分)が達成されたため、本年度はデータ解析部分に集中的に取り組むことができ、手術フェーズの推定の実現可能性を示すところまで達成された。

今後の研究の推進方策

昨年度・本年度において、RGB+Depthカメラ3ch分の手術室への導入、実際の臨床例の記録(30症例分)、手術室内の医療スタッフの位置・移動の定量的検出、各手術フェーズの特徴量と隠れマルコフモデルを用いた状態遷移の認識が完了した。
今後は、試行錯誤的にパラメータを最適化することで、手術フェーズの認識精度の向上を目指す。

次年度使用額が生じた理由

昨年度に記録したデータの解析を中心的に行ったので新規購入物品等がほとんどなく、翌年度に繰り越すことで効果的な研究費の使用をすることとした。

次年度使用額の使用計画

昨年度に記録したRGB+Depthデータは旧バージョンのMicrosoft Kinectを使用したが、新バージョンのハードウェアを導入することで、解像度向上や撮影範囲拡大が期待されることから、それらのシステム導入を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 手術工程管理システムのための作業フェーズ認識に関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      長尾敦史、鈴木孝司、小川由夏、太田裕治、村垣善浩、正宗賢
    • 学会等名
      第24回日本コンピュータ外科学会大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2015-11-21 – 2015-11-23

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公開日: 2017-01-06  

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