近年,食生活の欧米化に伴いわが国でも大腸癌を初めとする大腸疾患が増加傾向にあり,早期発見の手段である内視鏡による大腸検査の需要が急増している.内視鏡を安全に挿入するために,これまでに自走式の大腸内視鏡装置が数多く開発されているものの,ほとんどは推進能力が不十分であるために目的到達地点までの挿入時間が長く,あるいは大腸への負荷が高いことなどから,内視鏡の患者への負担は依然として大きなままである.本研究では,高い推進性能と柔軟性を有する自走式大腸内視鏡デバイスの実現を最終目標として,アメーバの推進原理にヒントを得た小型のクローラロボットを開発し,内視鏡デバイスの推進機構としての有用性を示唆した.
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