研究課題/領域番号 |
26750183
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上村 純一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70467322)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 感覚イメージ / 作業記憶 / 体性感覚誘発電位 / 体性感覚誘発磁場 |
研究実績の概要 |
本研究は体性感覚イメージ遂行時の脳内基盤について明らかにすることを目的としている。特に体性感覚イメージ遂行時の作業記憶機能の関与について検討を行うため、研究を進めている。 これまでに体性感覚イメージ課題内容を検討するため、先行研究を参考に脳波測定法により正中神経刺激下での事象関連電位(体性感覚誘発電位:SEP)の記録を行った(14名)。結果、体性感覚イメージ課題実施時において、コントロール条件に比べてSEPは惹起される傾向を認めた。これにより、SEPの発生関連領域と考えられる体性感覚領域を賦活する課題を特定することができた。今後、複数のモダリティー刺激を用いて体性感覚イメージ課題遂行時における作業記憶機能の関与についての検討を行っていく。これには2重課題法を用いて実施する。これまでの2重課題法では、各課題へ振り分ける注意量による影響を受けるという問題点があったが、今回、一方の課題を受動的課題とすることで、つまり被験者の注意は主課題にのみ向けられ、副課題を被験者が注意を向けない課題とすることで、これまでの問題を解決できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、本研究の遂行に必要な体性感覚イメージ課題内容の検討を終えている。また、測定に必要な実験設定は準備が整っている。今後の測定には複数モダリティー刺激を用いて実施するが、これらの刺激と脳波記録とを同期させる必要がある。この際の測定機器の設定がまだ完了していない点が次の課題となる。この点については、同期測定が可能な機器を購入することで対応が可能となると考えている。 以上のことより、研究遂行における課題はあるものの、最終年度中には当初の予定していた実験が終了できる見通しができているため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
すでに測定課題の検討を行うための実験は終えているため、課題は決定できている。今後は測定に必要な機器のセットアップをまずは整えていく。これには新たに同期測定が可能な測定機器の購入を検討している。これにより必要な測定条件を満たすことができる予定である。また、複数のモダリティー刺激を用いる今後の測定には脳磁計を用いて実施する。機器のセットアップが整い次第、順次被験者を募って記録、解析を進めていく予定。 平成27年中には記録、解析を終えられる予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行には、測定に用いる刺激と脳活動記録は同期させる必要がある。しかし、この際の測定機器の設定が完了しておらず、機器の選定を含め購入が行えなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
測定刺激と脳活動記録を同期させるために必要な測定機器の購入に充てる。
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